はじめに
風土記とは
郡 と郷 に好ましい漢字を付ける- 特産品の目録を記す
- 土地の肥沃度合を記す
- 山川や原野など地名の由来を記す
- 古くからの不思議な言い伝えを記す
このように、神話だけでなく、諸国の状況を示すたくさんのことが載っています。奈良時代の日本のすがたを、つぶさに教えてくれているんです。風土記の魅力は、一言では語り尽せません!
当時、60余りの
『
各風土記に記された説話について、おおまかに紹介します。
『出雲国風土記』はオオナムチ(オオクニヌシ)を中心とした、ほぼ神話で占められています。記紀神話でもなじみの深い神さまが、たくさん登場します。
『播磨国風土記』は、
『常陸国風土記』は主に英雄ヤマトタケルの物語で、彼を『
『肥前国風土記』は景行天皇の巡幸がほとんどですが、神功皇后の新羅遠征など、興味深い話が載っています。
『豊後国風土記』も景行天皇の巡幸話がメインです。
逸文には、タケミカヅチの降臨、
ざっとこんな感じなので、神話だけを寄せ集めると、オオクニヌシが自然と主人公になっちゃいます。人の時代になると、景行天皇・ヤマトタケルの親子が主役といった具合です。
オオクニヌシは古事記公式イケメンの神さま。それが、あ~んなコトやこ~んなコトをしちゃったりという、意外な一面が見られます。富士山と
そして話のオチが、ダジャレみたいな地名の由来。それが風土記に記された、不思議な言い伝えです。
ちなみに『風土記』という書名は、
いまどき風土記とは
ただ、ある程度まとまった文量のある説話は少なく、ほとんどがたった数行。でも、全体を通して読み進めていって、感じたんです。すべての話をひとつなぎにできそう、っていうか面白そうだからやっちゃえ、と。
次のような方針で、風土記を
- 神さまを軸に(都合良く)時系列にまとめる
- 諸説ある神さまや一度しか登場しない神さまを(勝手に)名寄せする
- 話と話の間を(でっち上げて)つなげる
- 解釈に諸説ある箇所は他の話とつなげやすいほうを選ぶ
風土記を現代語訳していますが、私の勝手な妄想で補っていることをご理解いただいたうえで、お読みくださるとうれしいです。
『国・郡・里(郷)』などの地名は極力省いています。でも気になる方は、最小限わかるように残していますので、どの言葉が地名の由来になったのか、探してみてください。また、詳細は名称一覧ページに載せています(難読漢字のオンパレードで、めまいがするかも)。
文体をラノベ風にしたのは『ラノベ古事記』へのオマージュです。
(Special Thanks:小野寺優様 Site:ラノベ古事記 - 古事記をラノベ風にしてみた)
※直接的な関連性はありません。
日本神話の面白さに気づいた人の、「もっと神話が知りたい!」に応えたいと思っています。
そこから踏み込んで、風土記の魅力そのものに気づく人が、増えたらいいな。