播磨の国固め
アメノヒボコとの決着
戦いに明け暮れる二柱の神。しかし、開拓した地を守りたい思いと、新天地を求める思い。国が荒れることは互いにとって不本意だった。
「アメノヒボコ、これ以上の争いを私は望んでいない。それはあなただって同じでしょう?」
「ああ、そうだな」
「だから、ここは
「占いで白黒つけようってわけか。で、何をする?」
「それぞれが、黒カズラ
「いいだろう。どんな結果が出ようと、恨みっこなしだぜ」
「もちろん」
二柱は足にカズラを三本巻き付けた。オオクニヌシは慎重に。アメノヒボコは思いきりよく。
「準備はいいですか?」
「いつでもいいぜ」
「それでは……せーのっ!」
放たれたオオクニヌシの黒カズラはきれいな放物線を描き、一本は
「か、勝った……!?」
「チッ……仕方あるまい。かの地に向かうとしよう」
「え、やけにあっさりとしているんですね!? ……そのほうが助かるけど」
「
「ヒボコくん……」
「お前のほうこそ急になれなれしいな!? ……じゃあな」
こうしてアメノヒボコは、但馬の
彼の背中を見送った後、オオクニヌシは占拠した
そして。
オオクニヌシは
「おわ!! 上手くできたね。国造りも、この酒と同じくらいに!」
そう歓喜の声を上げたから、
播磨の国固め以後
国を固め終えたことを伝え、オオクニヌシは天から
それからオオクニヌシは最後の仕上げとして、国境を定めることにした。
「射た矢が届いた位置で占おう」
見晴らしの良い山の上、矢を手に取ると、弓を目いっぱい引きしぼり放った。
「さてと、どこに着いたかな」
飛んでいった矢を探していると、
「あら、矢が舌に突き刺さっている。地面に落ちなかったのか」
そんな不思議なことがあったので、彼は正攻法に切り替えた。国中を巡り歩き、山の