播磨の神々 1
交通妨害の神
アマツワニは
そこで行き来する舟は、みな
そんなわけでその原は、
オオミズハ
ある時ニウツヒコが、こんなことを言い出した。
「
その雲潤の里に住んでいるオオミズハは、その申し出を強い口調で断った。
「そ、そんなことしなくっていい!」
彼女は別に嫌がっていたわけではない。むしろありがたいことだと思ったが、それ以上に頼りたくない、面倒をかけたくないとの気持ちが勝っていた。
「いや、だってそのほうが村が豊かになるだろ?」
「いいってば! わ、私はイノシシの血で田を耕すから。だから、川の水なんて欲しくない!!」
「こいつ、川を掘るのに
(せっかく親切にしてやろうと思ったのに)
ニウツヒコは面白くなかった。
そんなことがあったオオミズハだが、彼女には子供がいた。誰の子かは想像に任せよう。
その子イハツヒコは、
八十橋
さて、イザナギがそうしようとしていたように、
住吉大神
イザナギからはたくさんの神が産まれたが、その中の海の神、ソコツツノオ・ナカツツノオ・ウワツツノオの三柱の総称を、
住吉大神は、お供を連れて
「ここらで食事休憩にしよう」
「住吉様たちを、地べたに座らせるわけには参りません。敷物をご用意しましょう」
お供の神々はそう言ってその場を離れると、あろうことか村人が刈って置いてあった草を、解き散らかして敷物にした。
これに気づいた草の持ち主が、困り果てた顔をして訴え出てきた。
「この草は、私どもが田んぼの肥料にする、大事なものなんです。神様、どうにかしてくだされ」
「やれやれ……お前たち、いらぬことをしでかしたな」
お供らを軽くしかりつけると、住吉大神は村人のほうに向き直った。
「お前の田の苗は、必ずや、草を敷かなくても、草を敷いたかのように丈夫に育つであろう」
神力を込めてそう宣言すると、その通りになった。以来、この村では草を敷かずに稲をまくのが風習になった。
また住吉大神は、多くの村々に果実を分け与えて回っていた。それが、ある村に着いて足りなくなった。
「
そんなつぶやきが、