播磨の神々 2
ハナナミ
他にもよその国からやって来た神がいる。
一夫多妻制だった当時、正妻以外に
しかし、ハナナミの妻オウミは違った。嫉妬に狂った彼女は血走った目で、
「私だけを見て……ワタシダケヲミテ……ワタシダケヲミテ……」
オウミの手には小刀が握られている。ハナナミは身震いした。
「こ、殺される……!」
ついにオウミは刀を振り上げた。が、刺したのは夫ではなかった。驚くことに、自分の腹を真横に割いたのだ。血を流しながら彼女は、そのままフラフラとそばの沼に身を投げた。こうすれば、私だけを見てくれる……ずっと忘れないでいてくれる……。恨みと怒りと、深すぎる愛ゆえの行動だった。
そんなことがあって、そこは
ミチヌシヒメ
夫婦にも色んな形がある。
「この子の父が誰なのか、
誓約とは神の意思を占うことだ。彼女は占いの酒を醸すために、田を七町作った。すると、七日七夜の間に稲が実った。まさに
そこで酒を醸造し、たくさんの神々を招いて宴会を開いた。集まった神の中に、父親がいるはず。
「さあ、お前の父上にお酒を注いでおあげ」
母に促されたミチヌシヒメの子は、迷わずアマツヒコネの子マヒトツの前へ進み、酒をささげた。こうして彼が父であることがわかった。
その他の播磨の神々
そこへイヨツヒコが土地を奪おうと攻めてきた。トヨホは
ヒロヒメがその土地を自分のものにしたときに、辺りに氷が張った。それで、その地を
それから、タマヨリヒメが