イザナギとタケミカヅチ
神産みの時代の出雲
イザナミが神産みをしていた時代にも、人の生活があった。
人々が
その一方で神の営みがあった。
イザナミと別れたイザナギ(神だってイロイロあるんです)は、
タケミカヅチの降臨
さて、ついにあの宣言に従って、イザナミ・イザナギの孫が地上に降りるときが来た。その名はタケミカヅチ。イザナミとイザナギの子であるカグツチから産まれたので、二柱(神は
「今の地上は、荒ぶる悪い神たちがはびこっていて、石や木立、草の葉っぱまでもが言葉を話している。それに昼は五月のハエのようにうるさくて、夜は妖しい正体不明の火が輝いている。まことに嘆かわしい状態だ。しかしこれらを従わせ、平定する
その声に、目つきの鋭い男神が威勢よく応えた。
「おうよ、オレに任せな。あんなザコどもは、地上に降りた瞬間にぶっ潰してやる」
タケミカヅチだ。コワモテだが立派な天の神で、雷神として知られている。
その勢いのままに、タケミカヅチは天界から地上へ降臨した。そして
こうして彼は、地上を平和な国にするため、アマテラスに仕えることになった。アマテラスは後に天皇の御先祖様となる。
時を同じくして、フツヌシもまた高天原から降った。
カグツチの孫にあたるフツヌシは、鋭い眼光がどことなくタケミカヅチに似ている。だが彼はどちらかというと寡黙で、静かに仕事をするタイプだった。
神は地上のことを、
平定を終えたフツヌシは、天界に帰ろうと思った。そして、身に付けていた武器(土地の言葉で、
地上に降りるなり悪を滅ぼし、すぐさま帰っていく。まさに仕事人。
天橋立
ところ変わって
「イザナミとは別れちゃったし、これからのことをみんなに相談したいな。そうだ、
天に届くほどの長い長いハシゴを作るとなれば、さすがの神力をもってしても大変な重労働だ。完成したハシゴを立て掛ける頃には、へとへとになっていた。
「うぅ~ん、できたぁ。ちょっと疲れたし、ひと休みしよ……ふわぁ」
そうしてイザナギが寝入っている間に、ズズズズ……とハシゴが倒れ伏せてしまった。目覚めた彼は不思議そうに首を傾げた。
「おっかしいな~。神力を込めて立てたんだから、自然に倒れることなんてないはずなのに。僕にも
この伏せたハシゴが