スクナビコナとの別れ
粟嶋
元気になったオオクニヌシとスクナビコナは、今度は
しかし別れは突然やってきた。となりの
「わぁ~、たくさん実りましたね~」
オオクニヌシに褒められたスクナビコナは誇らしく、またうれしくもあった。キラキラと瞳を輝かせ、一面黄金色の粟畑を眺めている。
浮かれた彼は、ぴょんとそれに飛び乗った。するとその反動で、粟の穂はバネのように、スクナビコナの小さな体を弾き飛ばした。
「うっひゃ~! さいならぁぁぁぁぁ……」
叫び声が遠ざかるにつれ、彼の姿は見えなくなっていった。
「ええ~ッ!? スクナビコナさぁぁぁんッ!! ……行っちゃった」
空の彼方に飛んでいったスクナビコナは、こうして
髪梳の神
国造りの仲間が去ってしまったオオクニヌシ。
(あの子、どこかへ行ったっきり帰ってこないし。また私だけでやるのかぁ。
「あ、ちょっとそこの人、いいですか?」
オオクニヌシは、たまたま近くを通りかかったお供の人を呼び止めた。
「は、はい」
「お願いがあるんですけど、
「えっ……(遠い)……わ、わかりました。行って参ります」
「ありがとうございます! あなたって頼りになるなぁ。帰ってきたら、もっと大事な仕事をお任せしようかな~」
ここで営業スマイルさく裂。男もその気にさせてしまう、真正の人たらしだ。
勇んで使者ははるばる
「オオクニヌシ様、ただいま戻りました」
「ご苦労様でした。報告を聞かせてください」
「はっ。かの地には
「クシをすく神、か……ではその村の名前は、
「は、はぁ……」
それでその村を