国譲り前
アメノホヒとアマツコ
さて、話を再び
出雲に降り立ったアメノホヒは、
彼のお供として
「ここは私が鎮座しようと思えるような社である」
それでその村は
アメノヒナトリとフツヌシ
国土の状況を確認したアメノホヒは、ひとまず天界に戻り、アマテラスに報告した。それから、地上を平和な国にするべく、自分の子であるヒナトリにフツヌシを付き従えさせて、天降りさせた。
フツヌシといえば、国産みの時代にも成果を上げた、タケミカヅチに似た顔立ちの寡黙な武神だ。今回も、彼の任務は荒ぶる神を平らげること。戦いに備えて、石のように堅い
賊を討つために国内を巡歴したフツヌシはふと、
「……ここは、
口数の少ない彼が思わずつぶやいてしまうほど、どうやらその地が気に入ったようだった。
ヒナトリは平定後も天界へは帰らず、
そんな彼らの活躍は省略するが、ともあれ地上は安寧になった。